東広島・福富ダムの内部見学会!普段見られないダムの裏側を見学
2023年3月25日(土)、東広島市福富町にある福富ダムで、ダム内部の見学会が開催されました。
今回のイベントでは、市内外の親子連れなどを中心に約30人が参加。普段見ることができない福富ダム内部見学会の様子をはじめ、私たちの生活を守るダムの役割などを交えながら、たっぷりご紹介していきます!
〜 記事の目次 〜
福富ダムの見学会
福富ダムとは?
東広島市の北部に位置する福富町にある「福富ダム」は、三原市に注ぐ二級河川「沼田川(ぬたがわ)水系沼田川」の上流にあるダムです。平成21年10月から運用が開始され、約15年にわたって、河川の洪水調節などさまざまな役割を果たしています。
今回、福富ダムの施設をご案内されるのは、広島県西部建設事務所 東広島支所 椋梨ダム管理事務所の職員さん。
まずはじめに福富ダムの概要説明となります。
福富ダムは高さ58m、幅は292m、体積は205,350m3ある県内屈指の大きなダムです。
福富ダムの役割は、主に3つあります。
■水害を防ぐための洪水調節
■水不足を防ぐための既得取水の安定化および河川環境保全等のための流量確保
■水道用水としての供給
ダムは、私たちが安心安全に暮らすために必要な機能を兼ね備えている重要な施設なんですね!
続いて、福富ダムの放水方法に関して、イラストを交えながら説明を進めていきます。
福富ダムは、水を放水するゲートがない「ゲートレスダム」だそう。
雨量が増えてダム湖に溜まった水の水位が上昇すると、「常用洪水吐き」から少しずつ水が放水されていく仕組みです。実際にダムの写真を見ていきましょう。
上記の写真、水が出てきている2つの放水口があります。
ここが「常用洪水吐き」で、増水時はこの放水口から放水されます。
その更に上にも大きな放水口があります。
こちらが「非常用洪水吐き」。いわゆるダムの「緊急放流」時に使われる放水口です。
他にも、ダム湖に溜まった水を取水し放流する「放流ゲート」などでも放流が行われています。
ダムのあらゆる管理を行う「管理事務所」
次は福富ダムの管理事務所の見学に移ります。
※管理事務所内は、セキュリティ・安全面の観点から撮影禁止のため、写真での紹介はできませんので、予めご了承ください。
ダムを運用する上で必要なさまざまな管理を行う施設で、福富ダムにある各施設の操作や異常のチェックを行う監視カメラ、水の放流時のサイレン、地震計や気温計の気象観測データのチェックなどが行われています。
管理事務所にある操作室では、ダム湖の様子を一望できたり、液晶パネルに放水量や気温などのさまざまな観測データが表示されています。ダムを管理する上で重要な場所の1つです。
福富ダムの湖と外観の見学へ
福富ダム周辺には、東広島市福富町の自然豊かな山々に囲まれたのどかな風景が広がります。
福富ダムの近くには「道の駅湖畔の里福富」や「福富パークゴルフ場」といった老若男女問わず楽しめるスポットもあります。
管理事務所のすぐ側にある広場からダム湖を眺めてみると、高台にある「道の駅湖畔の里福富」や「しゃくなげ大橋」を望むことができます。高さのあるダムから見下ろす風景に子どもたちも興味津々です。
次はダムの上に作られた道路を通って、さまざまな設備を見てまわります。
ダム湖の水を川へ流すために取水を管理する「取水ゲート室」やダム湖の水位を計測する装置が設置された「水位計室」など、ダムを安全に運用するうえで欠かせないさまざまな設備があります。各設備の説明を聞きながら、各施設の様子を見てまわります。
ダム上部の見学を終えたら、次はダムの下部に向かって、階段を降りていきます。
階段を降りて、ダムの堤体にふと見ると、ダムの巨大さに圧倒されます。
ダムの中間地点まで降りてきました。放流ゲートから下流に向かって勢いよく水が放流されている様子も見ることができます。
いよいよ福富ダム本体の内部へ
福富ダムの外側にある階段をひたすら降りていくと、ダムの内部へと通ずる入り口に到着しました。
ここからダム内部を点検するための通路「監査廊(かんさろう)」を通って、ダム内部のさまざまな設備がある場所へ向かいます。
子どもたちは早くダムの内部へ入りたいようで、列を作って待っています。
「監査廊」は、1年を通して気温が15度ほど。
夏の季節に入れば涼しく、冬の季節に入れば少し暖かく感じるそうです。
いざ監査廊へ入ると、高低差のある急な階段も多く、参加者は手すりを持ちながら慎重に前へと進んでいきます。
監査廊沿いには、ダムの上部へと繋がる昇降設備(エレベーター)や地震計といった観測機器が設置されています。
さらに歩いていくと、天井高の高い部屋に到着しました。
こちらが「放流バルブ室」で、ダム湖に溜まった水を取水し、放流をコントロールする設備などが設置されています。大きな機械によって、ダムの放流が行われていることを実感できます。
福富ダムの下流部へ
ダムのすぐ下流部には「水力発電所」があります。
福富ダムの運用で必要な電力は、ダムのすぐ下流部にある水力発電所で賄っているそうです。
福富ダムの下流部は、ダム全体がいちばん良く見える場所です。
ここでイベント参加者の集合写真を撮影しました。素敵な笑顔ありがとうございます!
記念撮影が終わった後は、ダムの上にある管理事務所まで戻ります。
高さ58mのダムの上まで階段をひたすら登ります。とてもハードな階段登りでしたが、無事に参加者の皆さんもダムの上まで辿り着くことができました。
イベントの最後には職員さんから参加者に、福富ダムの「ダムカード」がプレゼントされました。
ダムカードとは、ダムの写真や情報が記載されたトレーディングカードのことで、そのダムの基本情報などを知ることができます。全国各地にあるさまざまなダムで配布されているそうなので、ダムに行った際にはダムカードを集めてみるのも良いですね!
イベント最後の挨拶でダム内部をご案内された迫田さんは、「近年、今までに経験したことがない大雨が降ることもあります。ダムがあるから大丈夫とは思わずに、大雨等の時は命を守るために「避難」するようにしてくださいね。」と訴えられている姿が印象的でした。
今回のイベントを通じて、普段見ることができない福富ダムのさまざまな設備を見たり、ダムで働く職員さんのお話が聞ける貴重な機会になったのではないでしょうか。ぜひ皆さまも私たちの生活を支えている福富ダムに想いを馳せてみてはいかがでしょうか!
福富ダムの関連情報
①下側から見るダムの姿もオススメ!
道の駅福富から見る福富ダムもきれいですが、下側から見る福富ダムも迫力があります。
イベント当日はちょうど桜が開花。きれいな桜と福富ダムのツーショットも撮影できました。
②福富ダムの見学後は、道の駅福富で「ダムカレー」を実食!
イベント終了後、ディスカバースタッフはダムの付近にある「道の駅湖畔の里 福富」へ。
道の駅内にあるレストラン「Riche litchen」では、「ダムカレー」を提供されています。ダム見学が終わった後のランチは、やっぱりダムカレーですね!
今回いただくのは「野菜ダムカレー」。
カラッと揚げた彩り豊かな野菜たちと、こだわりの雑穀米が特徴的な美味しいカレーです。
レストランの外にはテラス席があり、福富ダム周辺のきれいな景色を眺めながら、お食事を楽しめます。福富ダムを眺めながら、ダムカレーを召し上がってみていかがでしょうか!