"まちの広報部" とは、ディスカバー東広島が運営する、市民による地域情報の発信プロジェクトです。
市内の事業者やスポットに、実際に行ったときの様子やニュースをお届けします。
(情報は取材時のものになります。最新の情報は別途ご確認ください。)

分水嶺(ぶんすいれい)を探して豊栄へ

こんにちは。市民ライターのリサです。7月2日(金)から東広島市立美術館で、現代絵本作家原画展として野坂勇作さんの展示が始まりました。

野坂さんの作品を探していたら、「分水嶺さがし」という本を見つけました。(※1)


あまり聞きなれない言葉だったので、辞書で調べてみました。

ぶんすい‐かい【分水界】

地表の水が二つ以上の水系に分かれる境界。分水線。

ぶんすい‐れい【分水嶺】

①分水界となっている山脈。分水山脈。

②物事の成り行きが決まる分れ目。(※2)


野坂さんの本にあった分水嶺の探し方は、「日本地図の、どこかの海に注ぐ川の流れを、上流へ、えんぴつでなぞってさかのぼり、

その川の根っこのところと、反対がわにある海にそそぐ川の根っこが出会うあたりに点をうちます。」と書かれていました。


なんと、豊栄町で、分水嶺を示した看板を発見しました!平成18年設置となっています。


豊栄生涯学習センターの久藤武志さんによると、

「分水嶺は山稜や、人の入らないような山の中にもある。でも、平原が広がるこの地では、普段歩いている道にある。

全国的に平地の分水嶺は珍しい。この地から流れる川が日本海へ流れる江の川水系、瀬戸内海へ流れる沼田川水系や太田川水系へと分かれるんです」

ということでした。


さらに、分水嶺地点は、看板の先にあると教えていただき、地図を頼りに現地へ向かいました。


宮の首交差点を背にして、看板のある十字路を左折すると、右手に「日峠(ひのとう)」という名のバス停がありました。

豊栄そよかぜ号というバスが走っています。


バス停から続く細い小道を行くと道の左右に水路があります。

ここに降った雨水が、一方は瀬戸内海へ。一方は日本海へ向かって流れていくのだな〜と想像するだけでワクワクします。


地図記号もなく、知る人ぞ知る存在の分水嶺。

日本山岳会さんが、「日本列島中央分水嶺報告書」にまとめているそうです。


中国地方の分水嶺について、書かれた文章を紹介します。

"広島県世羅郡の世羅台地には「水の別れ」という地名があり、平地の中を分水嶺(界)が通る。

田んぼのあぜ道が分水嶺(界)となっているが、福塩線の上下駅構内も通過する。改装前、駅の看板に「分水嶺のまち上下」という案内看板がかけられていた。

このように中国山地の分水嶺(界)は、なだらかな平地を通っているので非常に解りにくい。付近の標高は500m前後が多い。(伊久間幸広)"(※3)


山を登らずとも訪れることのできる豊栄の分水嶺。

川の源流に近いこの地には、特別天然記念物のオオサンショウウオなど希少な生き物が生きています。

山から流れ出る水を田んぼに灌水して、美味しいお米も作られています。実は、豊栄町内には、あと2箇所、分水嶺があるんだとか。(※4)

自然の巡りを感じられる分水嶺へ足を運んでみませんか?


(※1)

「分水嶺さがし」

(月刊たくさんのふしぎ2016年8月号第377号)

野坂勇作 文・絵 福音館書店


(※2)

引用:『広辞苑』第7版、新村出 偏  岩波書店、2018


(※3) 

「日本の屋根ー北・南・中央アルプスと日本列島の大分水嶺」(2013.6.25 田部井淳子ー監修、世界文化社)


(※4)

①国道375号線の清武・吉原線の合流点

(↑今回紹介した場所です)

②県道28号線清武・吉原分かれ(星が峠)地点

③県道161号線豊栄・大和線境地点


【問合せ先】

豊栄生涯学習センター

〒739-2317 広島県東広島市豊栄町鍛冶屋271

082-432-4140

取材日時:2021/07/30

分水嶺(ぶんすいれい)を探して豊栄へ

こんにちは。市民ライターのリサです。7月2日(金)から東広島市立美術館で、現代絵本作家原画展として野坂勇作さんの展示が始まりました。

野坂さんの作品を探していたら、「分水嶺さがし」という本を見つけました。(※1)


あまり聞きなれない言葉だったので、辞書で調べてみました。

ぶんすい‐かい【分水界】

地表の水が二つ以上の水系に分かれる境界。分水線。

ぶんすい‐れい【分水嶺】

①分水界となっている山脈。分水山脈。

②物事の成り行きが決まる分れ目。(※2)


野坂さんの本にあった分水嶺の探し方は、「日本地図の、どこかの海に注ぐ川の流れを、上流へ、えんぴつでなぞってさかのぼり、

その川の根っこのところと、反対がわにある海にそそぐ川の根っこが出会うあたりに点をうちます。」と書かれていました。


なんと、豊栄町で、分水嶺を示した看板を発見しました!平成18年設置となっています。


豊栄生涯学習センターの久藤武志さんによると、

「分水嶺は山稜や、人の入らないような山の中にもある。でも、平原が広がるこの地では、普段歩いている道にある。

全国的に平地の分水嶺は珍しい。この地から流れる川が日本海へ流れる江の川水系、瀬戸内海へ流れる沼田川水系や太田川水系へと分かれるんです」

ということでした。


さらに、分水嶺地点は、看板の先にあると教えていただき、地図を頼りに現地へ向かいました。


宮の首交差点を背にして、看板のある十字路を左折すると、右手に「日峠(ひのとう)」という名のバス停がありました。

豊栄そよかぜ号というバスが走っています。


バス停から続く細い小道を行くと道の左右に水路があります。

ここに降った雨水が、一方は瀬戸内海へ。一方は日本海へ向かって流れていくのだな〜と想像するだけでワクワクします。


地図記号もなく、知る人ぞ知る存在の分水嶺。

日本山岳会さんが、「日本列島中央分水嶺報告書」にまとめているそうです。


中国地方の分水嶺について、書かれた文章を紹介します。

"広島県世羅郡の世羅台地には「水の別れ」という地名があり、平地の中を分水嶺(界)が通る。

田んぼのあぜ道が分水嶺(界)となっているが、福塩線の上下駅構内も通過する。改装前、駅の看板に「分水嶺のまち上下」という案内看板がかけられていた。

このように中国山地の分水嶺(界)は、なだらかな平地を通っているので非常に解りにくい。付近の標高は500m前後が多い。(伊久間幸広)"(※3)


山を登らずとも訪れることのできる豊栄の分水嶺。

川の源流に近いこの地には、特別天然記念物のオオサンショウウオなど希少な生き物が生きています。

山から流れ出る水を田んぼに灌水して、美味しいお米も作られています。実は、豊栄町内には、あと2箇所、分水嶺があるんだとか。(※4)

自然の巡りを感じられる分水嶺へ足を運んでみませんか?


(※1)

「分水嶺さがし」

(月刊たくさんのふしぎ2016年8月号第377号)

野坂勇作 文・絵 福音館書店


(※2)

引用:『広辞苑』第7版、新村出 偏  岩波書店、2018


(※3) 

「日本の屋根ー北・南・中央アルプスと日本列島の大分水嶺」(2013.6.25 田部井淳子ー監修、世界文化社)


(※4)

①国道375号線の清武・吉原線の合流点

(↑今回紹介した場所です)

②県道28号線清武・吉原分かれ(星が峠)地点

③県道161号線豊栄・大和線境地点


【問合せ先】

豊栄生涯学習センター

〒739-2317 広島県東広島市豊栄町鍛冶屋271

082-432-4140

取材日時:2021/07/30
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