広島屈指のハイテクごみ処理場!広島中央エコパークで学んで遊ぶ施設見学
体験レポート

広島屈指のハイテクごみ処理場!広島中央エコパークで学んで遊ぶ施設見学

2023/05/12 09:00

環境問題への関心が高まる中、ごみの処理にも、より一層のエネルギー効率の向上や環境への配備が求められる時代となりました。その声に応えるべく、最先端技術とともに稼働するのが、広島中央環境衛生組合ごみ処理施設「広島中央エコパーク」です。


最新鋭のごみ処理方法、併設する足湯や、子どもが思いっきり遊べる広場など、日本屈指のハイテクごみ処理場見学の様子を、たっぷりとお伝えします。



広島中央エコパークの施設見学

東広島市の最先端ごみ処理場をぐるりと見学



東広島市の中心部から車を走らせること約10分。

緑豊かな山あいに立つスタイリッシュな建物が「広島中央エコパーク」です。


2021年10月に誕生したこちらは、ごみの焼却処理と、し尿・浄化槽汚泥の処理を担うため、東広島市と竹原市、大崎上島町の2市1町が協力して建設。ごみを全て資源に再生する「最終処分場ゼロシステム」を実現した、最先端のごみ処理施設です。




4月5日に開催された見学には、東広島市内外からたくさんの親子が参加。


まずは、約20分間の映像を鑑賞し、「広島中央エコパーク」の施設情報や、環境に配慮したごみの処理方法などを学びます。キャラクターが登場する親しみやすい映像で、子どもたちもスクリーンに釘付けです。




基礎を学んだあとは、早速実際の施設を見て周ります。


学びの拠点を目指し、ごみ処理の流れに沿って、壁面展示や施設内の様子がよくわかるスケルトン壁が施された「広島中央エコパーク」。暗く、汚いというイメージを持ってしまいがちなごみ処理場の概念を覆す、綺麗で快適、クリーンな空間が整備されています。



たこさんクレーンがゴミを掴む!高効率ごみ発電施設



最初に訪れたのは、「高効率ごみ発電施設」です。


カラフルな色と数字が並ぶこちらは、ごみ収集車がごみを搬入するプラットフォーム。当日も、あくせく動くごみ収集車が敷地内を移動していました。東広島市、竹原市の他、離島の大崎上島町からは、巨大なパッカー車が船にのってやってくるとか!



子どもが楽しめる仕掛けもあちこちに。


「広島中央エコパーク」で処理できるのは、燃えるごみと大型ごみです。わかりやすくボードゲームのような遊べる壁で、ごみの分別を学びます。




より詳しい説明が聞けるのも、アテンド付きの見学ならでは。


従来の焼却炉は、大量の灰が発生し埋め立て処分が必要でしたが、同施設に配備された「低炭素型ガス化溶融炉」は、約1800度の高温でごみを溶かすことにより、スラグやメタルといった資源に変えています。これらの素材は、土木や建設資材に再利用されるとか。


この設備をもったごみ処理場は全国でも少なく、広島県内ではなんと「広島中央エコパーク」のみだそう!




ガラス越しに見える中央制御室には、運転に必要な全情報が集約されています。


昼夜各4人体制で、コンピューターによる自動制御システムを管理し、24時間365日安全に運転を行える環境が整備。私たちの生活を支えてくれる、縁の下の力持ちです。




「わ~~~!」と各所から声が上がったのが、運ばれてきたごみが集まるごみピット


ここには最大3000トンものごみが貯留され、ごみ収集車に換算すると約1500台分にもなるのだとか!タコのイラストが描かれたごみクレーンは一度で1890kg、普通乗用車をも掴める力があるといいます。


タコのイラストの由来は、「ポリップ式クレーン」というクレーンの名称から。ポリップ(ポルポ)はイタリア語でタコを意味するそうで、職員さんの遊び心からイラストを施したとか。キュートな見た目に、思わず笑みがこぼれます。




上下左右、ゆっくりとダイナミックに動くクレーンは、子どもも大人も見入ってしまう迫力があります。




「ゲームセンターのクレーンゲームみたい」「ずっと見ていられるね」など、あちこちから感想が飛び交い、その魅力はなかなかこの場から離れられないと感じるほど。


某ヒットアニメーション映画で、緑色のおもちゃたちが窮地を救う、あの名シーンが頭に浮かびます。



ごみ処理で発生した熱エネルギーを利用して発電を行うのも、同施設のすごさ。蒸気タービンによってつくられた電気は施設内で利用し、余剰電力は電力会社に売っているそうです。


床を足で踏んで実際の発電を体験できるコーナーでは、子どもたちが発電にトライ!約10人が全力で飛び続けて約5分、やっと0.010wの発電に成功しました。


施設の発電を担う蒸気タービンは、瞬時最高6500kwの電気をつくります。私たちの生活に身近な電気を生み出すには、強力なパワーが必要であることがわかります。



水処理や汚泥の資源化を学ぶ汚泥再生処理センター



続いて訪れたのは、「汚泥再生処理センター」です。


ここではまず、汚れた水を脱水機にかけ、水分に分離。固形物は、助燃剤化され、「高効率ごみ発電施設」内で使われます。水分は、海や川など自然界で起こる微生物を用いた自浄作用を用い、きれいな水になってから下水道に放流するのだそうです。



見て触って学習できるコーナーも盛りだくさんです。


水槽内で微生物が汚れた水を除去してくれる様子が見られるVR体験に、真剣に向き合う子どもたち。




汚泥脱水機の模型にも、興味津々です。

スポンジ球を入れて、レバーをクルクルクルと手で回転。スクリューが回り、水と固形物が分離されていく様子がわかります。


しかし、ゴミやおしっこ、うんちなどを扱っているのに、施設内には全く臭いがありません。臭いは、機械で吸引して微生物や薬品、活性炭素を用いて分解しているとか。あらゆる技術と工夫で、いつ訪れても快適な空間が保たれているのです。



遊んで学んで考える!足湯や広場でリラックスも



見学ルートの最後は、クイズやワークを通じて学べるエリアが登場!


男の子が覗いているのは、施設周辺の生き物たち。さぁ、何が見えたかな?



AIロボットもお出迎え。

話しかけると喋りかえしてくれたり、質問に答えてくれるロボットは大人気です。



風力、太陽光発電を手軽に体験できるコーナーも常設。

発電の仕組みを、楽しく理解します。



ごみ収集車のペーパークラフトも用意されています。


3歳の男の子は働く車が大好きだそう。「お家に帰って、お父さんとお母さんと一緒に、紙のごみ収集車を作るよ」と話してくれました。




これで終わり…ではないのが、「広島中央エコパーク」の面白さ!


最後に向かったのは、なんと足湯!

ちょうどいい湯加減が気持ちいいお湯も、「高効率ごみ発電施設」から発生した電気を利用して温められています。訪れる際は、タオル持参が便利です。




足湯には「エコ広場」が隣接され、設置された遊具で遊ぶことができます。


自由に走り回れる芝生の広場は、時間が経つのを忘れてしまうほどの心地よさです。この広場には、地域の人たちが集まる拠点としてはもちろん、もしもの災害時に仮ごみ置き場として使用できるよう整備。防災面にも配慮されています。



人にも地球にも優しい地域の拠点


環境問題に貢献しながら、廃棄物コストを抑え、地域の拠点となる設備を兼ねたごみ処理場。


そんな夢のような条件を実現する「広島中央エコパーク」は、積極的に見学も受け付けています。職員さんの案内付き見学は事前受付が必要ですが、平日月曜日から金曜日の営業時間中は、自由に出入りしての見学が可能です。


「皆さんへ環境に対する興味を持ってもらい、東広島市の未来を考えられる拠点でありたいです」と梅田武義さん(写真左)。


「足湯や広場も楽しめるので、ごみに関する用事がなくても、ぜひ遊びにきてください」と山口亨太さん。(写真右)



記事で紹介した施設の他、おむつ変えや授乳のスペースもしっかり確保。子育て世代に嬉しい設備です。足湯もエコ広場も、営業時間内であれば誰でも利用できます。


「広島中央エコパーク」は、ごみを循環させるだけでなく、社会全体の循環を目指す、地球に優しい施設です。

ただ高性能・高機能だけではなく、地域に開かれ、コミュニケーションの場としても利用が期待できるごみ処理施設は、新時代の常識として機能し、環境問題の最先端にいます。


百聞は一見にしかず。その壮大なシステムに一度、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。



広島中央エコパークの詳細情報

施設情報

名称広島中央エコパーク
所在地東広島市西条町上三永10759-2
電話番号082-426-0820
公式HPhttps://hirochu-k.jp/

見学案内

日時月曜日~金曜日(祝祭日を除く)9時~16時45分
※年末年始、夏季休業期間及び臨時閉館日は見学不可
見学料無料
予約方法電話にて
※職員さんの案内付き見学は予約が必要

お問い合わせはこちら

広島中央環境衛生組合

https://hirochu-k.jp/contact/


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