アジサイが咲く東広島・志和の並瀧寺|建築物や文化財もご紹介!
体験レポート

アジサイが咲く東広島・志和の並瀧寺|建築物や文化財もご紹介!

2022/07/04 15:05

山陽自動車道の志和ICから車で約15分。志和町志和東字只にある並瀧寺は、天平5(733)年、聖武天皇の勅願により行基菩薩の開基と伝えられています。

本堂では、毎月18日10時から、護摩祈祷が行われています(祈願申し込み随時、参拝自由)。




本堂手前の駐車場には、梅雨時期になると見事なアジサイが咲き誇り、参拝者を和ませてくれます。



並瀧寺の建築物や文化財

並瀧寺本堂


並瀧寺本堂は、明和8(1771)年再建といわれています。東広島を代表する古建築のひとつ。規模は三間四方で、正面に1間の向拝(ごはい)を付けています。唐様の建築様式で密教本堂の遺構。屋根は茅葺き。東広島市指定重要文化財。


金毘羅社



寛政10(1798)年建立。一間社流造(いっけんしゃながれづくり)と呼ばれる形式の茅葺屋根を持つ小社。総角柱で簡素な建物ですが、景観上でも重要な建物です。

桜門(ろうもん)



楼門は、下層を白漆喰で塗籠める、いわゆる籠宮造(りゅうぐうづくり)と呼ばれるものです。屋根は寄棟造で、茅葺き。建立年代は、建築様式上18世紀中期から後期にかけてと考えられており、本堂に続いて再建されたと推定されます。寄棟造の楼門は珍しく、茅葺屋根と共に景観上重要な役割を果たしています。



並瀧寺庫裏



現存している棟札と建築様式から、寛政9(1797)年建立であることが明らかになっています。寄棟造の大規模な庫裏で、仏間や書院などを備え、屋根は現在鉄板で覆っています。東広島市指定重要文化財。


鐘楼(しょうろう)

 

文化元(1804)年建立。楼門と同じく竜宮造。屋根は入母屋造で、桟瓦葺き。


仁王門



仁王門は、仁王像を後間に安置する形式の八脚門です。18世紀末から19世紀初頭に建てられたと推測されています。後間に仁王像を安置。柱の一部は中世のものです。


並瀧寺の美術工芸品も広く知られています。


木造延命地蔵菩薩半跏像

写真提供:東広島市教育委員会


庫裏に安置されている「木造延命地蔵菩薩半跏像」は寄木造、彩色仕上げで、蓮華座に座し、左足を垂らす半跏像です。像高は頭頂から左足先まで62cmあり、右手に錫杖を持ち、左手は膝に置いて宝珠を載せています。寄木造ですが、目は彫眼。円光背(えんこうはい)と台座は当初からのものと思われ、彫法、彩色及び台座等の様式から、室町時代末期の作と考えられています。東広島市指定重要文化財。

唐絵涅槃像

写真提供:東広島市教育委員会


経典が説く一般的な涅槃の情景に従い、宝台上に横たわった釈迦の周囲に多くの弟子や動物まで釈迦の入滅を悲しむ姿が描かれます。ただし、釈迦の生母が一般的には右天上に描かれるのに対し、本図では左天上に描かれており、和様化が進行しています。縦155cm、横114cmの絹本(けんぽん)に着色されたもので、室町時代後半の作と考えられています。東広島市指定重要文化財。


並瀧寺の詳細情報

所在地東広島市志和町志和東3439
参拝時間8:00~17:00
アクセス志和ICから車で約15分
駐車場40台
問い合わせ082-433-2160

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