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恋の予感|特Aランクを獲得した米の誕生秘話や魅力をご紹介

2023/11/28 10:10

東広島市は、県内でも有数の穀倉地帯

春から秋にかけて、至るところで稲の成長を見ることができます。



9月に入ると、すでに稲刈りが終わっているところ、はぜ干ししているところ、刈り取りを待つばかりの田んぼなど、さまざまな光景が広がっています。八本松町の大平正則さん宅の田んぼでも、稲穂が輝いていました。


JA広島中央 営農販売部 営農販売課の橋本孟治さんに、東広島で栽培されている米「恋の予感」について聞きました。




2年連続特Aの「恋の予感」について

「恋の予感」誕生秘話①|酷暑に強いことで注目された「恋の予感」


もともと東広島市では、「ヒノヒカリ」が長く栽培されていました。

もちもち食感、光沢のある粒、バランスの良い粘り気、甘みが特徴で、消費者から人気のある品種です。


しかし、異常高温をもたらしたここ最近の酷暑は、稲にも影響を及ぼしました。


出穂し米粒が実るまでの間に高温にさらされるので、米粒が白濁し品質が低下する「高温登熟障害」が発生するようになったのです。


そこで、「ヒノヒカリ」に代わり登場したのが、高温耐性に優れた「恋の予感」です。



「恋の予感」誕生秘話②|消費者から高評価!安定収量を目指して


そんな中、コロナ禍で、食事情にも変化が。


テイクアウト需要が大きく伸び、味の良い恋の予感」が欲しいという声が多くなったのです。

しかし、「恋の予感」はもともとの生産量が少なく、産直市にも在庫がないという事態に。


そこでJA広島中央では、「恋の予感」の作付面積が伸び悩む要因をリサーチしました。


「恋の予感」は、高温に強いことに加え、食味が良い品質が揃いやすい。それに、消費者や飲食店などから高い評価を受けている。

ならば、需要に対して供給量が極端に少ない状態が続いているのを何とかしよう。安定収量を確保し、おいしいといわれる「恋の予感」を生産する取り組みを検討しよう! と立ち上がったのです。

「恋の予感」誕生秘話③|2021•2022年度産米の食味ランキング「特A」


「恋の予感は、もともとおいしさを追求して育成された品種収量性はヒノヒカリより高く、多収。高温登熟耐性も強く、異常高温でも品質が低下しにくいという特長があります。とても可能性のある優れた品種だと思います」と橋本さん。


令和3年より、本格的に「恋の予感」生産拡大に向けた実証栽培に乗り出しました。


すると、日本穀物検定協会が発表した「2021年度産米の食味ランキング」で、広島県南部の「恋の予感」が、初の最高ランク「特A」に選ばれたのです!そして、2022年度産も「特A」に選ばれ、2年連続で評価されています!


JA広島中央は、「恋の予感」の県内最大産地。

橋本さんは、「恋の予感は、良食味米としての地位を獲得できる可能性のある品種」と力を込めます。



生産者の声「大平正則」さん

「第1回ぶちうまいお米コンテストin東広島」審査員特別賞を受賞!




会社員を退職後、農業を始めた大平さん。

現在、米と野菜を生産しています。


「まだまだこれから。JAの皆さんに教えてもらって何とかね」と笑顔を見せます。


「昨年開催された『第1回ぶちうまいお米コンテストin東広島』で審査員特別賞をもらってねえ」


「ぶちうまいお米コンテストin東広島」とは、米どころ東広島で行われる市内の農家や農業法人が、丹精込めて育てたお米の味などを競うというもの。


記念すべき第1回のコンテストで結果を出すなんてすごいですね!



JA広島中央と生産者の新たな取り組み

安芸津の牡蠣殻を使った土壌改良を目指す

JA広島中央では、今年から、八本松や西条町の「恋の予感」生産者8戸に協力を仰ぎ、土壌改良効果の検証をスタート



大平さんも、この検証に参加しています。


「大平さんは本当にきちんとした方で、稲の栽培管理も几帳面にされているんです。昨年コンテストで結果を出されたこともあり、今年は『恋の予感』の土壌改良の検証をさせてもらっていて、その結果に期待しています」


橋本さんは、大平さんに絶大な信頼と期待を寄せています。


大平さんの田んぼでは、牡蠣殻を用いた土壌改良効果の検証が行われているところです。

牡蠣はミネラルが豊富で、かつ水稲生産初期に発生するガスを吸着して無毒化する効果も期待できるそう。稲の根が元気に成長し、牡蠣殻に含まれるミネラル分が、安定収量の確保と食味向上に寄与することも期待されています。


使用する牡蠣殻資材の牡蠣殻は、その9割以上が東広島市安芸津町産

安芸津で育った牡蠣の殻が、東広島の田んぼへ。田んぼから流れる水はやがて海へいきつき、再び牡蠣を育てる。東広島の海と里山で、そんな循環が生まれるなんて素敵なこと。SDGsの一環ともいえるでしょう。


全8戸の生産者の稲を収穫し、圃場の改善策を見出し、「恋の予感」の成育パターンを確立させること。稲の成育に最適な施肥法や栽培法を構築していくこと。そして牡蠣殻を活用した、新たな土壌改良の提案。


「今年も特Aを!」という期待の中で、橋本さんは、大平さんたち頼もしい農家さんと二人三脚で、もっともっとおいしい「恋の予感」生産に取り組んでいます。




こうした努力のおかげで、私たち消費者は、おいしいご飯を味わえるのですね。

心から、感謝を込めて「いただきます」。



「恋の予感」が食べられる飲食店

ディスカバースタッフが飲食店を訪問し、取材します。更新まで少々お待ちください。



「恋の予感」が購入できるお店

道の駅西条 のん太の酒蔵


とれたて元気市 となりの農家店

https://life.ja-group.jp/farm/market/detail?id=1809


※時期によっては販売されていない可能性があります。



「ふるさと納税」の返礼品にも出品中!

「恋の予感」はふるさと納税の返礼品として出品されています。



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